新・電子立国

NHKのディレクターの方とお会いする機会があって、ご厚意で昔の番組のDVDを頂いた。パソコン、OS、ブラウザ、インターネットなどの歴史を紹介する新・電子立国とNHKスペシャルのDVDだったのだが、これが非常に面白かった。90年代に放映された当時も生で観ていたのだが、今観てみると非常に貴重な内容だったことが分かる。ビル・ゲイツポール・アレンがインタビューに答えていて、マイクロソフトがBASIC開発からIBMのOS開発に至る際の話や、ネットスケープの創業者たちが登場してインターネットが生まれた直後の熱気が感じられる内容になっている。
あまり意識していなかったのだが、当時この手の内容の書籍を読んでいた記憶はあまりなく、僕がシリコンバレー的なベンチャーの雰囲気に初めて触れたのはこれらの番組だったのだろうと思う。そういう意味では、大学よりも影響を受けた授業だったし、それが元になってこうやって会社を作る人間もたまにはいるのだから、NHKも捨てたものじゃない。(はやくネットで過去の番組が観られるようにして欲しい!)
番組の最後で、三宅民夫と相田洋が「ソフトウェアというのは結局人間なんですね」と締めくくっている。未来を目指す若者が、夢や理想を実現するために自らの技術でソフトウェアを開発し、そのソフトウェアで本当に世の中を変えていく。そこにある想いの現れであるという言葉と同時に、そのような夢を持っているか?という日本の若者への警笛によって番組が締めくくられている。この問いかけは、10年以上経った今なお有効だと思った。