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豊島美術館に行きました

その形をまだ見たことがない人に、どう表現すればこの形が伝わるだろうか。
なめらかな曲線をした、大きな深いお皿を、うつ伏せに置いたような形の建造物で、その中に、まるでどら焼きの中に入るかのように、人が入ることができるもの。こんな感じ??

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四国に行く用事があったので、帰りに瀬戸内海に浮かぶ小島、豊島(てしま)にある豊島美術館に寄ってみた。
少し変わった美術館で、展示されているのはさきほど紹介したような形の建造物というか、オブジェというか、そういうコンクリートの物体のみ。中の空間は想像したよりもずっと大きくて、ミニサッカーくらいできるんじゃないか、というくらいの広さだった。

どの方向を向いても、非日常的な、ミニマムな光景が目に飛び込んでくる。どの向きに写真を撮っても絵になる空間。

入り口から建物の中に入ると、すでに中にいる人たちが数人いて、その人たちがまた作品の一部のようだった。灰色の広い空間の中に、ぽつり、ぽつり、と人が立っている。5人ほど人がいる時がちょうど具合が良いと感じた。

落ち着きの良い場所を見つけて地面に座り、しばらく黙って入ってくるものを感じてみた。耳を澄ますと、2つの開口部から木が風に揺れる音や、鳥の声が聞こえてくる。吹き抜けていく風から、瀬戸内海に浮かぶ島の空気を感じる。遠くから船の汽笛が聞こえる。

視覚だけでなく、聴覚や触覚、五感を全部使って感じられる。これはコンクリートの空間を感じる場所ではなく、島全体を感じることができる場所だ。何も無いおかげで、余計にたくさんのものが入ってくる。

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帰りがけに美術館の方とお話していたら、「何も展示がないのにこれのどこが美術館なんだ」とか「これは一体なんなんだ」と言って怒り出すお客さんもいるらしい。まあ分からなくもないけど、これはこれ、ですよね。目の前にあるこれをただ、そのまま感じられたら気持ちが良い。どら焼きだろうとなんだろうと、説明しようと思うと何か適当なラベルが必要だけど、実物はここに来て、体で感じたそのものでしかないし、それで十分だ、と思った。

豊島美術館 写真集

豊島美術館 写真集

GA ARCHITECT 妹島和世+西沢立衛 2006-2011

GA ARCHITECT 妹島和世+西沢立衛 2006-2011

110kmあった実家までの距離が90kmに!

今住んでいる京都から、実家のある三重県菰野町まで、昔から何度も車や自転車で往復しています。
実家までの距離は、下道で行くと昔からずっと110km。最近は新名神高速ができて、車での移動は随分早くて短くなったものの、自転車では110kmあるものとずっと思っていました。

ところが、先週末に久しぶりに「実家まで自転車で走ってみよう」と思い立ち、「そういえば」と思って、Google Mapの徒歩モードで実家までのルート検索をしてみたところ、なんと距離90kmと出るではありませんか。
「そんなばかな!どうしたら20kmも短くなるんだ!」と思ってよくよくルートを見てみると、細い道をうまくつないで、上手に斜めの道をたどっていくルートになっています。確かに地図で見ていても、細かく曲がって距離を稼げば、多少は短くなるかも、ということは思っていましたが、まさか20kmも短くなるなんて。
ということで、本当に90kmで実家までたどり着けるのか、今回はGoogle先生の言うとおりに走ってみました。

途中で2度ほどルートから外れてしまって少し余分に走ってしまったものの、結果は91km!本当に20km短縮できてしまいました。これはすごい!

Google Mapがなかった時代は、紙の地図を見て走っていました。それで、多少ショートカットできるかも、という道があったとしても、正確にそれで何km短縮できるかは、実際に走り比べてみないと分かりませんでした。さらに、GPS端末がなければ、細い道をくねくねとトレースするのは骨の折れる作業で、いちいち地図を出して道を確認しながら走るくらいなら、分かりやすい道をさっと走ってしまったほうが速い、という時代でした。

しかし、Google Mapのような細かい最短経路探索が簡単にできるサービスができ、さらにそこで示されたルートをリアルタイムに確認できるGPS端末が生まれたことで、これまではあまり現実的ではなかった最短経路サイクリングが出来るようになっていることを実感しました。

今回のルートは徒歩モードで出てきたルートだったので、「こんな道を行くの!?」というような砂利のあぜ道や、歩行者しか歩けない歩道橋もあったのですが、概ね自転車で走ることが出来ました。
さらに、斜めの道というのは、古くからの街道や、川に沿った道など、古くからの味わいのある道が多く、実際中山道の旧街道を走ることができたりして思わぬ楽しみ方が出来ました。徒歩モードすごい!また機会があれば別の場所でも試してみようと思います。

https://instagram.com/p/zoHrclFbxJ/
中山道の旧街道。古い建物などが道沿いに残っていました。
https://instagram.com/p/zoXqzElb6o/
永源寺ダム。車では通らない道です。

最短経路を行く際の強い味方Garmin。(僕はEDGE 705を使っています)

Tech Instituteセミナーで講演をさせて頂きました

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大阪で行われたTech Instituteオープンセミナーで講演をさせて頂きました。
「関西から起業するとは」というタイトルで講演のご依頼を頂き、京都で起業して、今も京都と東京で事業を営んでいる者としてお話をさせて頂きました。

アメリカでは、経済の中心である東海岸ではなく、西海岸のシリコンバレーがネット産業の集積地として成長しました。インターネットが普及し始めた頃は、日本でも東京ではない場所でネット産業が成長する可能性もあっても良いのではないか、と考えていましたが、ネットが普及し始めてから20年もの時間が経過し、そろそろ事実は事実としてまず認識する必要が有ると思いました。

この20年の結果を見ますと、日本におけるネット産業は、東京にかなり集中している産業となり、出版や放送といった他のメディア産業に近い産業構造となってきたのではないかと思います。特に、インターネットで完結するようなビジネスに関しては、企業数や、産業に従事している人の数など、どんどん東京と他の地域の差が広がっているのが原状だと思います。

そういう中で、関西でIT系分野で起業をすることにはどういう意味があるのか、が話のポイントでした。僕が具体的な可能性を感じるポイントとして、1. 0から1を作る、2. B向けビジネス、3. 地域密着型、4. ハードウェア連携、の4つを挙げさせてもらいました。

将来的に大きな事業への成長を目指すとしても、とりあえずスタートするときには必ずしも大きな組織やお金が必要ではなく、むしろ集中してアイデアを形にすることが必要ですから、そういう「0を1にする」ことは地方でも十分にできるのではないか、と思います。
そこから先にどう発展させていくかですが、法人向けのB向けビジネスは比較的地方でも成り立ちやすい気がします。地域密着というのは、例えば観光など、地域と密着せざるを得ない分野でのIT活用です。ハードウェアは、メーカーや技術者の方との連携が必要となるため、メーカーの多い関西での動きも面白そうです。

とまあ、こういう現実的な話を踏まえた上で、付け加えさせていただいたのが自然や環境のことです。地方では、自然に近い場所で生活ができたり、家族や子どもと一緒に過ごせたり、食事が美味しかったり、といった、人間としての基本的な活動を行う上での環境の良さがあります。経済的な競争、時価総額や報酬といった数字の競争のみではなく、人間として生きていくことの豊かさも同時に追求できるところに大きな価値があると感じます。

環境が良いので人間として豊かな生活ができます、というだけではなく、そもそも、大ヒットするサービスや製品というものは、本来人間にとって必要であったものが「発見」された、という感覚があります。例えば自動車が生まれると、人間は自動車のない世界には戻れないように、その製品が世に生まれると不可逆的な変化が起こり、その製品がない世界には戻れなくなるようなものが、最も息が長く、たくさんの人に必要とされる製品となるのではないでしょうか。

では、次にどういう製品が人間には必要とされているのか、を「発見」するためには、人間が本能的に次に何を求めているのか、を考える必要があります。そのためには人間を知る必要が有ると思います。その人間は、大きな自然の中の一部であり、自然から完全に切り離されては生きられない生物ですから、そういう意味で自然を知ることは、ものづくりの本質に迫る重要なことなのではないかと感じます。実際に、「この方の発想は面白い」と感じるような発想を持った方は、幼少期に自然の中でたくさん遊んでいたような方が多いと感じます。技術は、人間を自然からどんどんと引き離す方向に進化しますが、自然と人工物の間の距離が近い場所で、両方を行ったり来たりしながら、人間が次に必要とするものを着想していけたら楽しいと思います。

自分たちも何かもっと面白い事例になれるように努力を続けていきたいと思いますので、一緒に挑戦しましょう!ということで話は締めさせて頂いたのですが、参加者の方や、一緒に登壇された皆さんともそこから色々と話が盛り上がり、楽しい時間を過ごさせて頂きました。どうもありがとうございました。

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