毎日毎日はてなのサービスを使っていると、どこの部分が使いにくいのかがだんだん分かりにくくなります。たとえば「適当にブログを探していてたまたまふらっとはてなに立ち寄った人」の気持ちになって、そこからはてなダイアリーを使ってみようと思うまでを想像するのは実はかなり困難です。
しかし毎日新たに登録して利用を開始する人の多くはそうした初心者であり、こうした方に迷わずにはてなを使い始めて欲しいと思います。そのために誰でも使いやすいインターフェースにしなくてはいけないと考え、昨年末からユーザービリティテストを開始しました。ユーザビリティテストとは、一般の方にパソコンを操作してはてなを使ってもらい、その様子を見せてもらうテストです。
一般の方と言っても、すぐに適当な人を見つけてくるのは大変なので、まずは社員旅行の時に社員の家族の皆さんに順番にいろいろな操作を行ってもらうところから始めました。それからは、知り合いの方に集まって頂いたり、会社の近くの公園などにいる方に直接声をかけてご協力をお願いしたりもしました。写真はその時の様子です。
昨年末に初めてテストをした時のことは今でも忘れることができません。本当に基本的な操作でも多くの人が戸惑っているのを見て、恥ずかしくてこちらが逃げ出したくなる思いでした。こんな事も気付かずに今までサービスを作っていたのか、と感じました。
気付くことは、適切な場所に説明が無い、ヘルプへの導線が無い、などもあるのですが、インターフェース上の細かい気付きも多くあります。
例えばこれはほんの一例ですが、はてなのユーザー登録画面にはユーザー名を登録する場所があり、すでにそのユーザー名が使われていないかをチェックする仕組みがあります。
現在は「ユーザー名をチェックする」というボタンを押すと重複チェックが行われる仕組みになっていますが、以前はユーザー名を入力すると自動的に裏側でチェックが走り、重複している時はエラーが出る仕組みにしていました。
ところが、このエラーにビックリしてしまい、ユーザー名を書いている途中で「この名前はダメなんだ」と勘違いして諦めてしまう方が複数いらっしゃいました。こちらとしては、なるべく少ない操作で重複チェックが出来たほうが便利だろう、と思って気を利かせているつもりが、逆にユーザーの操作を阻害してしまっていたのです。
こういった細かい改善点は、僕たちの当初の想像よりずっと多く、それらを一つ一つ改善していきました。
そうした中で、はてなダイアリーはじめてガイドや、かんたんデザイン設定画面のリニューアル、注目キーワードページのリニューアルやダイアリー開設フローの見直しを行いました。
ユーザビリティテストは、ユーザー登録、はてなダイアリーの開設、編集といった基本的な操作部分しかまだ取り組めておらず、今後さらにさまざまなインターフェースを改善していきたいと思っていますが、テストを行って課題を洗い出し、改善を行って成果を検証し、インターフェースを洗練させていく、というフローを社内に確立できた事の意味は非常に大きいと考えています。インターフェース設計やデザインはid:tikedaとid:nagayamaの2人が手がけていますが、今後の新サービスや新機能などでも彼らの経験やこうした手法を使って、さらに良いインターフェース作りに取り組んでいきたいと考えています。