イヴァン・バッソの時代

ジロ・デ・イタリアがバッソの圧倒的な勝利で幕を閉じました。今年は日本で初めてのライブ放送という事で、僕も初めてリアルタイムでレースの様子を映像で追う事ができて、一緒にミラノまで完走した気分です。

今年のジロは面白かった。バッソの走りに新しいヒーローの誕生を感じます。ジロが始まる前にも今年はダブルツールを狙うという発言をしていて、そんな事よりまずジロの優勝に集中した方が良いんじゃないかなあなんて正直思っていたのですが、蓋を開けてみれば2位に10分近い差をつける圧倒的な強さでこのままツールも行くのかなという気がしてきます。

今回一番感動したのはバッソが最後まで全力で勝負に挑んでいた事です。途中の山岳ステージでリーダージャージを着てからは2位以下との間に大きく差が開き、ツールでの体調を見込んであとは少し押さえながら走るんじゃないかと思っていましたが、ありとあらゆる峠でシモーニやグティエレスとの素晴らしい闘いを見せてくれました。ミラノ前日の第20ステージでもまだ残り40km以上あるモルティローロ峠からシモーニと二人になり、最後の上りではシモーニすらも置き去りにして単独で逃げる姿に、なぜそこまで勝負にこだわるのかと思うくらいの気迫を感じ、それが印象的でした。(置いていかれたシモーニは勝たせてもらえるのかと思っていて怒っていたようですが)

峠を上る姿は何となくインデュラインを見ているような風格を感じますし、これからしばらくバッソの時代が続くのかなあなんて気がします。