リーダーはどこから生まれるか

妻の実家は大阪の大きな団地にあります。お父さんは長年メーカーに務めて毎朝会社でラジオ体操をしていました。定年退職して、会社にいかなくなったので、その後は毎朝団地の近くの広場でラジオ体操を始めたそうです。毎朝6時半にラジオをつけて、一人で体操を続けてきました。

一人で体操を続けて12年目、体操の様子を見ていた近所のおばさんからある日、体操を教えて欲しいとお願いをされたそうです。体操を教えるには反対向きに体を動かさないといけないけど、そんな事はできないから教えられない、と断ったそうですが、それでも食い下がられるので、背中を見て勝手に真似してくれるなら構わない、と承諾したそうです。するとそのおばさんの仲間が次々と朝のラジオ体操に参加しはじめ、今では多い時に40人ほどが集まるようになったというのです。

40人のご婦人に囲まれながら体操をしている義父の姿を一度見てみたいところですが、それはひとまずおいておいて、この話を聞いて僕は、リーダーとはなにか、を考えさせられました。

リーダーというと、人の上に立つ人、というイメージがあります。最初からたくさんの人がいて、その人たちをまとめる人、というイメージです。しかし、12年間一人で、誰を従えるつもりでもなく体操していた父の元に人が集まってきた話を聞いていて、リーダーの本質とはそういうものではないか、と感じました。そもそも人を従える事が目的ではなく、たとえ一人であろうとやりたい事があり、それをやり続けようとする。その行為を見ていて周りの人がついつい参加したくなる。そういうものかも知れないな、と思いました。