京都の町を歩いていると近代的なビルに混じって、たまに町屋を使った居酒屋やカフェがあってなかなか趣がある。実は学生の頃は左京区で生活していた事もあり、あまり町屋に入る機会は無かったし、古い日本家屋を見ても別にそれほどどうとも思わなかったが、中京区の会社に通って、夜に食事にでも行こうかとなると必然的にこういう店が目に入るようになり、最近よく行くようになった。
最近は新しい環境で少し腰を据えて大規模プロジェクトが動きつつあり、昼間はかなり開発に集中しているので、こういうひとときが良い息抜きになる。
奥に庭があったり、土間のような通り庭がある家屋もあり、これが昔ながらの日本の建築かと興味深い。うなぎの寝床のような長細い建物が多いが、店が窮屈かというとそうでもなくて、渋谷の飲み屋に比べればずいぶんゆとりのある座敷でくつろげる。
庭があるような家屋は大体何か名のある家だったりするので店の人に聞いてみると、昔の織物問屋だったとか、そういう歴史が色々出てきて面白い。
残念なのは、こうした町屋もそれほど多くなくて、普通のマンションの間に挟まるように建っていたりすることだ。昔は町屋だけがずらっと並んでいる路地ばかりだったのかと思うと、少し残念に思う。