今週の火曜日にリリースしたid記法による自動トラックバックのON/OFF機能
http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20050621/1119347555
について、色々な方からご意見を頂いています。
はてなダイアリーでは、「id:jkondo」と書くと、自動的に相手の日記にトラックバックが送信され、「この人があなたのことを書いていますよ」といった事が記録されます。
この送信をOFFにできる選択肢を追加しましたが、はてなダイアリー日記やはてなアイデアのidea:1855にたくさんの意見が集まっています。
- 自動的に送信されるからはてなダイアリーのコミュニティの雰囲気ができたのではないか
- システムが雰囲気を決めることは多い
- 自動トラックバックははてなの象徴
- トラックバックという名前を使わずに「referred」といった名称にすれば良いのではないか
- 受け手側にも受信するかどうかの選択肢が必要ではないか
- ポリシーとしてやってきたものを要望があったのでといって変えないで欲しい
といった意見が主なところでしょうか。id:mohriさんによるアンケートも行われており、
まだ物足りない (自動トラックバックは全廃すべき!) | 27 |
歓迎 (デフォルトがOFFでもよかった)。 | 74 |
望ましい変更 (送りたくないひともいるんだし)。 | 222 |
どちらともいえない | 290 |
望ましくない変更 (デフォルトがONなのがまだ救い) | 75 |
改悪 (はてなDの特色のひとつが失われた!) | 42 |
自動トラックバックってなに? | 126 |
ポイント (σ・∀・)σ ゲッツ!! | 42 |
- どちらともいえない…32.6%
- 望ましい変更 (送りたくないひともいるんだし)・・・25.2%
- 歓迎 (デフォルトがOFFでもよかった)・・・8.9%
- 望ましくない変更 (デフォルトがONなのがまだ救い)・・・7.5%
- 改悪 (はてなDの特色のひとつが失われた!)・・・4.7%
- 自動トラックバックってなに?・・・13.4%
という結果になっています。
現在のON/OFFの利用状況を見てみると、
自動トラックバックON | 158129人 |
---|---|
自動トラックバックOFF | 280人 |
という状況になっており、開始3日で280人の方がOFFに設定されているようです。
さて、自動トラックバックについてはこれから検討がさらに必要だと考えていますので、このエントリーで何らかの結論は出てきませんが、現時点で考えていることを少し書いてみます。
まず「なぜ自動トラックバックを作ったか?」ということに立ち返ってみたいと思います。もう2年も前の話になりますが、大体こんな感じだった気がします。
はてなの中で自分のことを書いている人を簡単に探すことができたら便利だし、それで知り合いでもできたら素敵だなあというのが発想でした。
2003年3月19日のはてなダイアリー日記では、次のように発表しています。
現在、はてなダイアリーTrackBackシステムが実現すべき最も重要な機能は、はてなダイアリーを利用するユーザーが、「どこかで自分について言及されている事を自動的に知ることができる」事であると考えています。
はてなダイアリー内でこの機能を満たした上で、同様の機能として標準的なものがあるのであれば、できる範囲で(そして意味のある範囲で)その仕様に準拠していきたいと考えています。
ただし、例えば自分が日記に書いた内容が自動的に言及先のページにも転載されるといったモデルは、現状のはてなダイアリーを利用する多くの方々の心理モデルには合わないと感じていますので、こうした機能を追加する予定はありません。実装を行うとすれば、明示的にその内容を日記作者が送信するというモデルになるかと思います。
TrackBackという名称については、それ以外に特に独自拡張や独自仕様策定を行う必要が無いという点から、現状では同じ名称を用いています。
当時、トラックバックという言葉は一般的にはほとんど使われていませんでした。(まだブログという言葉が広まっていなかった頃です)
「id:jkondoと書くと自動的に送信されるもの」を何と呼ぶかについては、トラックバックが仕組みとしてよく似ていたのと、システム上も同様の仕組みが応用できたことから、トラックバックという名称にしました。
それから2年経ち、ブログはもとより、トラックバックという言葉も次第に一般的になってきています。
現状でまず問題なのは「あのIDを書くと飛ぶものはトラックバックではないよ」という指摘が正しいということだと思います。トラックバックとはこういうものである、という共通認識が様々なブログサービス利用者の間に浸透し始め、その中で別の仕組みを同様の名称で呼ぶことの弊害が出始めていると思っています。これは、はてなダイアリーユーザーが他のブログユーザーと交流を図るときに障害になりかねない問題だと思います。
もう一点注目すべき事実としては、「はてなダイアリー内で一般的なトラックバックよりも、id記法による自動トラックバックの方がたくさん利用されている」という点です。「id:jkondo」と書いて人の日記にリンクを貼れるのは便利だ、ということは、最初にその仕組みを考えたときも、現状でも大して変わらない事実だという気がしてます。この機能がはてなダイアリー内でこれまでに果たしてきた役割の大きさは相当なものがあると思います。
じゃあ、この便利な機能は強制なのか選択できるべきなのか、送る側が制御すべきことなのか受ける側が制御すべきなのか、これが今回の大きな検討課題だと思っています。
少なくとも、名称については早期に見直す必要があるでしょう。MovableTypeユーザー同士が互いに言及しあっていることを確認しあえるように考えられ、他のブログでも利用できるよう仕様が公開されたTrackbackという仕組みは、その仕様を全面的に受け入れるべき時が来ている気がします。
一方で、確かに存在する便利さを他のブログでも利用できるように考えられなかったことに問題を感じています。id:jkondoさん、と名前を書くだけで相手に軽く呼びかけができる、そういう仕組みをはてな以外のユーザーも使えるにはどうすれば良いか、という視点がTrackbackと違って先の会話には欠けていた事が大きな問題だという気がしてます。
取り留めのない話になってきましたが、この件に関しては今後も何らかの進展があると思います。