株式会社はてなの代表取締役会長に就任いたしました

お久しぶりです。

このたび、株式会社はてなにおいて、私、近藤淳也、および経営陣の体制変更を行うはこびとなりましたので、ここでご報告させていただきます。

2001年のはてなの創業以来13年間、代表取締役社長を務めて参りました、私、近藤が、本日8月1日より代表取締役会長に就き、後任には、はてなの開発本部を率いて参りました栗栖義臣が代表取締役社長に就任いたします。

また、これまで私と二人三脚で共にはてなの経営にあたって参りました取締役副社長の毛利裕二は、ここでコンビという形から変わり、これからは取締役ビジネス開発本部長として、引き続き営業拡大・事業開発の分野にさらに尽力してもらうこととなります。

また、これに合わせ、3人の創業メンバーの1人でもあります大西康裕が執行役員サービス開発本部長に就任いたします。

たった3人しかいなかった創業期に、がむしゃらにプログラムを書いて、たくさんのサービスを開発し続けたのが2003年頃までの数年間でした。
その後、次第にサービスが成長し、社員の数が増え、次第にマネジメントの仕事の比率が増えていったのが2004年の東京移転からの数年間でした。
そこで一度、シリコンバレーに子会社を設立し、もう一度サービス開発の最前線に立って、新サービスの創出に取り組んだのが2006年から2008年にかけてのシリコンバレー時代。
2008年に日本に戻って来てからは、京都オフィスの立ち上げと、東京オフィスの強化を行って参りました。

京都・東京体制を敷いてからは、新卒社員の採用、組織作りなど、長期的な会社の成長に向けた基礎固めを行い、それまでより安定した、もう少し成熟した会社になるべく努力を重ねて参りました。

奇抜なアイデアを思いつくそばから形にして、ユーザーの皆様にお見せしていくという、アイデアと新規性を最優先に動いていた時代から、もう少し計画的に開発を行って、多くのユーザーの皆様にご満足のいただける品質の高いサービスを提供し、社員の増加を支えられるだけの売り上げを上げていくことができるような、そういう少し「大人の」会社になるべく、この6年間ほどは尽力して参りました。

ここに来てその努力も実を結び、組織をまとめ上げ、事業を着実に成長させていける力のある人員がはてなには揃って来ております。
また直近では、社内でノウハウを培ったサーバー監視ツールを、ほかの企業様にもご利用いただけるようパッケージ化したMackerel(マカレル)の提供を開始するなど、これまでにない法人様向けの新規事業の創出にも取り組んでおります。

そうした中、はてなの価値の核であると考えておりますユーザー様向けのサービスにおいては、必ずしも期待したとおりの目覚ましいサービスの成長や、新サービスの創出ができていないという自覚もございます。

このたび、これまで開発組織を卓越したマネジメント能力でまとめあげてきた栗栖に、経営執行を託しながら、会長職という立場で改めて私が新サービスの創出にも注力するという、新たな役割分担に移行することで、より魅力的なはてなを作り上げ、会社の発展を促進することができると判断をいたしました。

はてなの会長職には、非公式ながら以前より、犬のしなもんが就いて参りました。創業以来飼っておりましたコーギー犬しなもんでしたが、ユーザーの皆様からいつしか「しなもん会長」と呼んでいただくようになり、社内でも「会長!」と呼ばれておりました。そんなしなもんも、昨年6月に寿命を全うし、他界をいたしました。しなもんがいなくなってから早一年。会長の空席を埋める、というわけではありませんが、株式会社はてなの二代目会長に就任し、また新しい役割ではてなを盛り立てていく所存です。

新しく社長に就任いたします栗栖ともども、今後とも皆様のご支援を承りますよう、お願いいたします。

これからのはてなに、どうぞご期待ください。

2014年8月1日 近藤淳也

栗栖新社長からのご挨拶はこちらです。
http://chris4403.hateblo.jp/entry/2014/08/01/111243

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我武者羅應援團さんに応援していただきました

ご縁がありまして、我武者羅應援團さんにはてなにお越しいただき、はてなの応援をしていただきました。

細かい応援の様子は、はてなスタッフの松田さんや諏訪くんのブログをご覧ください。

我武者羅應援團というのは、プロの応援団です。テレビなどにも出られていて、最近ご活躍されています。
プロの応援団ってなに?と思われると思いますが、僕も最初そう思いました(笑)。そして、あの詰襟の制服に、ちょっと怖い顔。迫力ありますよね。

それで、どんな怖い人たちなんだろう、って最初思っていたのですが(笑)、実際に応援をして頂いて、武藤さんをはじめとする皆さんがなぜ応援団を始めたのか、というお話をお聞きし、はてなのスタッフ面々に対する丁寧な応援を正面から受け取っているうちに、そういう最初にちょっと構えていた自分のガードが完全に外れてしまい、というか、応援団さんに対しての構えどころか、普段人様と接する際の構え、自分の心の壁、他人に対して、自分はここまでは出せるけど、それ以上は見せないよ、と無意識に作っている心の壁みたいなものがあると思うのですが、その壁も気づけば乗り越えられ、心の奥のほうまで応援団さん、押忍!とお越しになって、そして僕の心の真ん中あたりで、なんだかめちゃくちゃ温かいものをぽんっと置いて下さり、それからまた押忍!と仰って帰られて行きました。

やられました。

あんなに心の中までやってきて、全力で応援されたら、半年くらいは頑張れそうな気がします。胸の真ん中辺りに、まだなんか残っている感じがします。

他人のことを、まるで自分のことのように考え、応援する相手のことをとにかく好きになり、そして全力で応援する。本気で応援できるかは、相手のことを本気で好きになれるかどうかの、自分との勝負だ、と仰っていました。そして、何があっても相手のことを信頼し、応援をやり通せた時に、やり通せた自分のことを好きになれる。それができた自分のことを応援ができるようになる、と仰っていました。それって応援の話だけじゃなくて、人と人が愛しあったり信頼しあったりするときの、一番根本的な話だと思いました。

リーダーの武藤さん、高校の時に応援団に憧れて入部したものの、先輩のシゴキに耐えられずにすぐに退部。でも応援団をやりたかった、という憧れを諦めきれず、ずっと後悔していて、社会人になってから、やっぱり応援団がやりたい、と決心して、プロの応援団を立ちあげられたとか。

その時に、はてなが紹介された記事をご覧になられて、そういう風に挑戦している人がいるんだ、と思われたということで、なんと昔々の懐かしい記事の切り抜きを大事に保管されていて、もう10年以上も前と思われる記事を目の前につきつけられて、まさかそんな風に、人様の人生に関わることができていることなんてあるのかと、恥ずかしいような、責任を感じるような、でもちょっと救われるような思いでした。

我武者羅應援團、最高です!
温かいお気持ちを頂き、ありがとうございました!

本もおすすめです。
「本気で生きる」以外に人生を楽しくする方法があるなら教えてくれ、ですよ、ほんと!

僕らの仕事は応援団。 ~心をゆさぶられた8つの物語~

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「本気で生きる」以外に人生を楽しくする方法があるなら教えてくれ

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天声人語ではてなをご紹介いただきました

今日から10月。世の中的には下半期が始まったり、随分と暑さも収まって季節も秋になり、また新しい気持ちで進んでいこう、と思っていた矢先、朝日新聞の天声人語で、はてなのことをご紹介いただきました。

天声人語といえば、入試や教科書にも出てくるコラム。なかなか一企業の取り組みが個別に紹介されるような場所ではないと思いますが、今回、はてなでの取り組みを社名入りでご紹介頂いています。

中学生だった頃から、世の中でなかなか本音が語られず、意味のない制度だけがひとり歩きしてまともな意見が聞き入れられないような社会の雰囲気に違和感を感じていました。自分で会社を作った以上、まっとうな意見がちゃんと通る組織にしたい、と思って会社をやってきています。

そうした取り組みについて、2006年に『へんな会社の作り方』という本に書かせて頂きました。

「へんな会社」のつくり方 (NT2X)

「へんな会社」のつくり方 (NT2X)

今回は、その本から、社内での風通しを良くする取り組みについてご紹介を頂いています。

2006年に本を書いてから7年。あれから会社の人数も増え、本に書いてある内容をまだやっていることもあれば、考え方はそのままでも、やり方がどんどん変わっている部分もあります。

実際は、組織の階層が増えてだんだんと思っていることが言えなくなったり、逆に思っていることを不適切な方法で伝えすぎて相手を傷つけてしまう、といったことも起こり、そのたびに組織作りの難しさを感じて今に至ります。

ということで、まるで理想的な会社のようにご紹介頂いていますが、僕たちはまだまだ成長していかなくてはいけないところばかりです。
ただ、会社を創業した当初の、ちゃんとお互いが本音で語り合えるような組織でいたいという気持ちは変わりませんし、最近ますますその重要性を感じています。

ご紹介に恥じないよう、これからも頑張って良い組織にしていきたいと思います。
朝日新聞さん、ご紹介ありがとうございました。