どこまでも続く道

どこまでも続く道に惹かれるのはなぜだろうか。ふとそんな写真を見ると、無性にその場所に行きたくなる。この日記で使っているテーマは、id:nmy作のnevadaというデザインだ。一目見て気に入ったので、使わせてもらっている。
どこまでも続く道、と言って一番に思い出すのは、アメリカを自転車で横断したときに見た光景だ。まっすぐの道で、50km先の町が遠くに見えているような、そういう一直線の道を1週間以上走り続けたことがある。その時は、早くこんな単調な場所から抜け出したいとさえ思っていたのだけど、なぜかあとからその時の事を何度も思い出すようになった。他にも自転車でいろいろな場所に行ったけど、あの何も無い道の記憶は鮮烈だ。
何度もその光景を思い出す鍵は、そのシンプルさにあるような気もする。あるいは、どれだけ進んでも進んでも辿り着かないような道を淡々と進む感じが、僕は好きなのかもしれない。
そんな道と日常の風景は随分離れている。写真家の星野道夫は、「自分が東京で暮らしている同じ時間に北海道で、クマが生きているというのがものすごく、新鮮で不思議だったことがあります。それが、漠然とですが、北の自然に魅かれていったきっかけだったんです」という事を言っている。写真はそういう「ここではないあの場所」への扉を開いてくれる。
ときどき無性に、あの「どこまでも続く道」を見に行きたくなる。
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