9月7日


夕方から自転車で走りに行こうという予定を立てたので、朝の5時から頑張って仕事をした。といっても、メールを見たり日本側との情報のやり取りをしていると数時間はあっという間に過ぎてしまう。日本チームとのやりとりはこれまでの延長線上の連続的な作業で、取り掛かるのに必要なエネルギーが非常に小さい。なので、少し気を抜くとそちらに意識が行きそうになってしまう。一方でInc.側の仕事というのは全く何も決まっていなくて先も見えないものだけど、そちらを選んで進むようにしないとと今日も思った。
夕方までに開発作業の続きと読書などを終わらせてサイクリングに出発。たいちは自分のロードレーサーを持ってきていたので、れいこんと3人でPage Mill Rd > Skyline Blvd > CA 9 > Stevens Canyon という50kmくらいの周回コースを回ってきた。Skyline Blvdの峠までは600upくらいの上りなんだけど、峠で待っていたらたいちよりもれいこんの方が先に現れて驚いた。5年間の自転車通勤の成果は伊達ではないらしい。
ちなみにアメリカの景色についてだけど、景色の美しさという点では日本の方が勝ると思う。アメリカの大地はとても乾燥していて荒涼としている。色で言えば茶色だ。一方日本の大地はとてもみずみずしくて、色で言えば緑色。自転車で走っていても田んぼがあったり、森の中の緑色に囲まれたりして、いつも水を感じる事ができる。どちらかというと僕はそういう方が好きだけど、いずれにしても家からちょっと走ったところに600upの峠があるのは素晴らしい環境だ。
夜はMountain Viewのビアホールのようなお店へ。ここは店内も広くて活気があってなかなか楽しい。ところで数週間こちらで過ごしてみて感じるんだけど、いろいろなものへの愛情が増えているような気がする。家族とか、ペットとか、友人とか隣人とかへの興味というか、愛おしいと感じる度合いが東京にいるときよりも遥かに多いように思う。だだっ広くて周りの人とある程度の距離を置きながら生活ができるからなのか、周辺が荒涼としていて周りにいる生き物を大事にしないと生きていけない感じがするからなのか、あるいは周りの人の愛想が良いからなのか、あるいはその全部が理由なのか。自分でも驚くんだけど今日はしなもんの散歩に行ってあげようとか自然に思うようになってしまった。東京はあまりに混雑しすぎているのかもしれない。あまりにも周りの人間との距離が近いせいで、いつもストレスを感じていて、そのせいでみんなお互いを少しずつ嫌いあっているような気がする。電車とかに乗ると、怖い顔や無表情な顔をしている人があまりに多いように思う。大切な事がおざなりにされているんじゃないかと思うと、少し悲しい気がする。