ウェブサービスの模型を作ろう

昨日、はてな内から出てきた実験的なサービスを公開するための「はてラボ」をリリースしました。
http://hatelabo.jp/

多くのプロフェッショナルなクリエイターの仕事には、模型、プロトタイプ、デッサンをする行程が存在します。建築物を作るのだったら模型を作って実際のイメージを確かめますし、工業製品を作るにもデッサンをしたり模型を作ったりします。作家は何度も推敲しながら文章を作り上げますし、画家もデッサンを繰り返します。

どれだけ優れたクリエイターでも、いや、クリエイターとして優れていればいるほど、こうした行程を大事にし、妥協を行わず修正を繰り返すことで質の高いものづくりが可能になっているのだと思います。

「ぱっ」と一瞬で作り上げた作品が、すぐさま改良の余地が無い程に100%の完成度である、と主張する人がいれば、多くの場合、それは怠慢によるものであると僕は判断すると思います。

ウェブサービス作りにしても同じです。絶え間ない試行錯誤を抜きに、完成度を上げて、時代を超えていくものづくりを行うことは不可能だと思います。ただし、建築における模型や、絵画におけるデッサンのようなプロトタイプのための手法は、ウェブサービス制作の過程ではまだあまり確立されていません。

その行程を試行錯誤の中から生み出し、定着させていくのは自分たちの役割なのだと思いますし、そういう試行錯誤の中から生まれたのが、改良の余地を残しながらサービスをリリースしていく手法であったり、ユーザーと利害を一致させながら効率よく意見を頂く手法だったり、そして今回の「はてラボ」だったりするのだと考えています。

世の中にはある一定の割合で「ものづくり」が大好きな人が存在します。何かを作る道具を手にしたら、頭の中にあるアイデアを形にせずにはいられないという人たちです。そしてはてなは、そういう人間の集団であり続けたいと考えています。

何かを作りたいと思う人が、年齢や肩書き、実績などに制約を受けずに、公平にものづくりに没頭できる、そういう環境になれば良いなと思っています。