学校の外

ずっと読みたいと思っていたハッカーと画家


ですが、アマゾンのポイントが余っていた、というid:naoyaがプレゼントしてくれたので早速読み始めました。(どうもありがとう)
id:naoyaが「近藤さんが書いているんじゃないかと思った」と冗談を言っていましたが、そもそもこの表紙のバベルの塔からして何か運命的なものを感じます。
小学校のときに我が家では、数千ピースもある巨大なジグソーパズルを作るのが流行っていたのですが、おもちゃ屋に飾ってあったバベルの塔の絵を見た瞬間に「これが欲しい」と親にお願いしてパズルを買ってもらい、以来自分の部屋にずっと飾っていたまさにその絵画がこれです。

さてその第1章「どうしてオタクはもてないか」ですが、そこではいかにアメリカの中学校が悲惨な状況にあるかが語られています。

アメリカの中学と日本の中学がどれくらい違うのか知りませんが、僕自身も中学、高校時代が一番辛かった時代だと思っていて、あの頃にこういう本を読んでいればと思うことしきり。

昔は大人の手伝いなどをして社会の準構成員として活躍していたティーンエイジャーを、無目的な学校と言う場所に何年も閉じ込めることで、無意味ないじめや人気競争などが繰り広げられて悲惨な世界が生まれているのだ、と言った内容なのですが、そういう世界にいながら、その世界の外の価値に気付いていた人が、現在のIT経営者などには多いのじゃないかなと思います。

例えばGMOの熊谷さんとお食事をしたときに自転車旅行の話になりましたが、熊谷さんは確か小学校か中学校の頃からユースホステルなどを使って旅をしていたというお話でした。自分自身も自転車で走り回ったりしていましたが、要するに学校には「外の世界」があって、外の世界から相対化して見れば普段気にしていることに如何に無意味なことが多いか、という視点を持ちながら、本質的な価値を追求しようとする努力や追及が大切なのかなと思います。

世界の偉人に、生死の境を彷徨った経験を持つ人や、収容所に何年も入った経験を持つ人が多いのもまた、現実社会を外からの視点で相対化したときに、自分の役割や本質的な価値を見極めることができたからではないか、と感じています。