自分で謎を解き、自分の言葉で書く

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広報日記(g:hatena:id:hatenapr:20041227)にも紹介していますが、先日夏目房之介さんにお会いする機会がありました。インタビュー記事の取材ではてなまでお越しいただいたのですが、そのインタビューがITセレクト2月号に掲載されています。

夏目さんの連載は「イノベーターの履歴書」という連載で、様々なイノベーターの過去を振り返りながらその人となりを紐解いていくという趣向なのですが、今回の記事の中で、

幸せな共同体から放逐され、自転車で挑戦者の資質に目覚めた近藤さんは、父の姿にインスパイアされて、ネットの世界に「大人」とコミュニティへの思いを実現する挑戦にとりかかった

という紹介をして頂いています。

その内容は僕が話をしたわけではなく、あくまで夏目さんの推論で、必ずしも正確ではないと思いますが、それでも、この記事の事をしばらく考えさせられました。初めてお会いして、1時間あまりお話をした方が、なぜこのような結論に達したのだろうと思うからです。どうして夏目さんは「大人」という言葉にこだわったのだろう、なぜ父の影響を大きく見て取ったのだろう・・・

同じような経験を実は以前にもしたことがあります。昨年暮れにはてながソフト化賞(http://www.softnomics.or.jp/)を受賞した際、その授賞式でソフト化経済センターの日下公人さんに、

近藤さんは登山や自転車が趣味ですが、登山やツーリングでは最低限の荷物しか運べない
ので、十徳ナイフのように一つでいくつもの使い方ができる道具を持ち運びます。はてなというアイデアも、十徳ナイフのように一つの技術でいろいろに応用ができる、そういう共通点があるように思います

といったご紹介をして頂きました。

この時も、自転車とはてなのそのような共通点について、考えたこともなかったので、最初はピンとこなかったのですが、時が経つにつれて「なるほどなあ」という気持ちが増したものです。

お二方に共通しているのは、まず対象に対して「謎解き」のような姿勢で取り組んでおられ、さらに、その謎について考え、結論を導き出し、自らの言葉でその結論を表現なさっているという点です。そして、そういう紹介の仕方は、紹介される者として大変名誉であり、嬉しい事だと気づきました。

自分も「自分で謎を解き、自分の言葉で書く」ような、そういう紹介ができるようになりたいものです。