脱獄犯のように

自転車に個人タイムトライアル(個人T.T.)という競技があります。選手は一人一人時間差でスタートして、数十kmを走り、タイムを競います。

この個人T.T.で、途中のタイムを知りたがる人と知りたがらない選手がいます。これはヨーロッパのプロでも同じらしくて、そうやって人のタイプが分かれるのは面白いと思います。そして僕は後者です。すでに全力で走っているのだから、そんなものを聞いても意味がないというわけです。

僕は個人T.T.を走るとき、いつも脱獄犯を思い浮かべます。生きるか死ぬかの瀬戸際で全力で逃げる犯人に、ペース配分などという概念はないでしょう。

一方前者の場合は、もっと冷静にペースをにらみながら、自分をコントロールして走るわけです。そしてどちらが先にゴールに着くかは、やってみないと分かりません。

最近僕は、このタイプ分けが仕事でも同じようにあると感じています。僕はやはり後者ですが、世の中にはペース配分型の人がたくさんいると感じます。