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全員の合意

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マイケル・サンデルさんが東北大学で行った白熱教室をテレビで見た。地震被災地の復興計画を決めるために、町民全員の合意を取るべきか、復興のスピードを優先すべきか、といった興味深い議論をやっていた。
 
全員の事なんだから全員が合意して進めるべきだ、と話す人がいれば、全員が合意した計画が最良の計画だとは限らない、と反論する人や、そもそも全員が合意する事なんてできるわけがない、どうしても海の近くに住みたいという人もいれば、内陸に移住すべきだという人もいるのだから、合意を待っていては復興が進むわけがない、という具合に議論が重なっていった。どの意見も現場の実体験を元に出た切実な意見だからなかなか重い。会場全体が、そうだよね、現実的に全員が合意するなんてちょっと無理だよね、という雰囲気になりかけたところに、南三陸町の復興計画に携わっている方が口を開いた。
 
町民の方々は繰り返し議論をしている。その様子は、全員で「合意をしたい」、というのとは少し違うのではないか。出来るだけ自分も議論に参加して「納得したい」、という感覚に近いのではないか、と。自分の意見が聞き入れられ、吟味された上で結論が決まったのであれば、たとえ思い通りにならなかったとしても納得ができる、という事だろう。合意と納得は違うというわけだ。
 
町をどこに移転するか、というような大きな問題はそうそう無いとはいえ、仕事にしても、プライベートにしても、普段人と関わる中で相手にお願いを聞いてもらったり、複数の意見の中から一つを選ばないといけない事はよくある。その時にそれぞれの納得したい気持ちに配慮するという考え方が大切だよな、と感じました。