池田武邦

第二次世界大戦で軍艦に乗り米軍からの攻撃で沈没、奇跡的に救出されて生き残り、東大で建築を学び、霞ヶ関ビル、京王プラザホテル、新宿三井ビル、ハウステンボスなどを手がけた建築家、池田武邦の映像を観た。
日本の最初の高層ビルを設計し、自ら設計した新宿三井ビルの50階にオフィスを構え仕事をしていたある日、ビルで仕事をした後に外に出たら新宿に雪が降っていたことを初めて知り、空気の気持ち良さを感じて、外界から隔離した人工的な空間を作る高層ビルのあり方に疑問を感じ、現在は長崎でかやぶきの家に住むという池田。
かやの屋根は雨を通さず、煙を逃がし、音をさえぎり、温度を調節する。これら全ての特性を持つ建材は無い。しかも家を壊したら全て土に返っていく。古来から伝わる日本の知恵をもう少し見直そう、ということを話していた。
こうしてテレビに取り上げられるのも、かつては日本最初の高層建築を設計したり、日本設計という会社を組織として成長させ、ビジネス的にも成長させたりと、第一線で活躍した経歴があるからであって、最初から田舎で農家などをやっていてもこうしたメッセージは世の中に出なかっただろう。まずは一線で活躍して、その後にこういう事を言うのが格好良い。