百万ベンチャー

CO-CONVという百万遍にある会社に遊びに行った。百万遍と言うのは京大の横の交差点の名前だが、この百万遍界隈には最近IT系ベンチャーがいろいろあるらしく、その一社に潜入してどんな感じなのか見せてもらおう、ということでお邪魔させて頂いた。百万遍にベンチャーがあるならそりゃきっと「百万ベンチャー」と呼ばれているに違いないと思っていたけど、まだそういう呼称は無いらしい。
スタンフォード大学に周りのベンチャー企業がやってきて優秀な学生を取り合ったり、学生は学生で将来性のありそうなベンチャーはどこか品定めをしたり、自分たちで次から次へと会社を興す様子を見ていたのでそういう活気を期待していたけど、大分様子が違うようだ。情報学科の学生は引き手数多の人気学科なんじゃないのかと思っていたらどうやらそうでも無いらしくて、最近では工学部の中でも最も人気の無い学科だという。ベンチャーの中からまだあまり大きな成功事例も出ておらず、学生の中には安定志向の就職を求める人たちも多いし、学部はプログラムを書かなくても卒業できてしまうので、在学中はプログラムを書かない学生もいると言うので驚いた。
そういう自分も学生時代は遊んでいたので人のことは言えないのだが、ちょっと勉強して仲間と面白いものを作れば世の中をひっくり返せるかもしれないというこのご時世で、実はそんな事ができる時期・場所というのは人生の中でもそれほど多くないと思うし、かなりもったいないと思った。
よく、シリコンバレーにはリスクを負わずに金を使わせてくれるエンジェルなどがいて資金が回るからベンチャーが興りやすいといった話があるが、情報系のベンチャーに限って言えばそんな資金すら必要なく、まずはビジネスが大きくなるまでの過程や将来像を持った人がどれだけ居るか、ということが重要に感じる。エンジェルやVCがそうした役割も果たしているのは言うまでも無いが、そういう人が臨界点を超えるまで増えるかどうかに、京都がシリコンバレーになれるかどうか(!)がかかっているように感じる。ただ金をくれる人じゃなくて、ちゃんと技術を理解して、未来像を持ってビジネスに臨める人が必要だ。
シリコンバレーだと、学生からベンチャーに入って5年後に3億円手にしました、みたいな人がごろごろしていて、色々な企業からも誘いがかかって、むしろ「なぜ挑戦しないの?」(Why don't you try?)という雰囲気がある。別に金に固執するわけでは無くとも、自分の技術が世の中に認められてそうした成功ができる可能性がごろごろ転がっているなら誰だって一度くらいやってみようかと思うだろう。
まずは僕たちがそういう成功事例を作れるよう、面白いものを作って世の中をひっくり返せないといけないなと改めて思った。のでそういう事を一緒にやりたい人が居たら来て下さい。