仕事は非ルーチンワークから片付けよう

仕事には毎日毎日の定常業務・いつもの仕事=ルーチンワークと、突発的な仕事=非ルーチンワークがあると思いますが、時間の使い方として非ルーチンワークの方から手をつける方が良い結果になることが多いんじゃないかとふと思いました。

非ルーチンワークというのは、朝突然「これをやろう」とアイデアを思いついたとか、社内で話しをしていて急遽行う事になった、みたいなタスクで、こういう仕事が発生すると「まあ待て。とりあえず今日やるつもりだったいつもの仕事を終わらせてから取り掛かろう」という人と、「なんだか面白そうだし新しい事をやってから残りの仕事を片付けよう」という人に分かれるような気がします。

ところが、「定常業務を終わらせてから手をつけよう」と思っていても、定常業務は仕事時間を全部使い果たそうとする性格がありますので(ありますよね、何でなんでしょう?)、結局その日には手がつけられない、みたいな事になりがちです。そうこうしているうちに何日かが経過し、「あれってどうなったんだっけ?」というパターンも往々にして見られます。

この前はてな内では、社内に置いているサーバーがうるさいのでサーバールームに移動しようみたいな話しが出て、そこでid:danjouがすぐさま作業に取り掛かってくれました。それで、その日の夕方には静かな環境がおとずれて気持ちよくみんなが作業できるようになったのですが、これが「いつもの仕事のあとで」となっていたら、一体いつ快適な環境が訪れたか分からないし、もしかしたらそんな仕事は忘れ去られて「まあ今でもなんとかやれているからしばらくこのままでいいやん」みたいな事にすらなっていた気がします。

他にも、最近社内でsubversion使おうぜと言ってcvsから移行をしつつ便利ツールを作って効率化を図る、みたいな事をid:secondlifeがどんどんやっていたり、社員がアイデアを思いついたときにとりあえず作ってみることのできる環境を作ろうぜ、という話になって、id:wanparkがそれを具体化したりしてくれているのですが、そういう環境を変える系の仕事というのは、非日常的で始めるのに少しパワーが要ります。それをなるべく早く、できれば思いついたその瞬間に行動を開始すべきだ、と思うのです。

先日、社内にタッチタイピングができない人が居る、という話になりました。それで、「じゃあタッチタイピングを練習しよう。1週間でマスターできるから」という話になりました。ここで、「じゃあまた家でタッチタイピングの勉強でもしておこう」というのではなくて、「今、この瞬間に指の配置表をネットで探す。見つけたらカラープリンタでプリントアウトて、それをPCのとなりのいつでも見られる場所に設置する。そして、この瞬間から、配置表どおりのタイピングを開始する」というところまでやってから、いつもの仕事(メールを見たり、プログラムを書いたり…)をやれば良いと思うのです。

多分自分はせっかちなのだと思います。「やろう」と言っていたのに何時間経っても何も始まらないというのが我慢できないのでしょうが、そういえば子供の頃によく母親に「遅いことなら猫でもやる」と言われていたなと思い出しました。

例えば「雨戸を閉めておいて」と母親に頼まれた時に、10分くらい放っておくと母親は自分で雨戸を閉めてしまいます。それで僕が「そのうちやろうと思っていたのに」というと、「遅いことなら猫でもやる」といって全く認めてくれません。「おまえは猫以下だ」と言われているような気になったものですが、今思うとこういう経験が大きく影響しているのかもしれません。

非ルーチンワークからやるべきだ、と言ってももちろん程度問題でしょうが、そうすることで物事がダイナミックに変化しますし、少なくともはてなでは、迷ったらぜひそういう感じで行きたいなあと思います。