移動オフィスの意味

開発者合宿に続いて、移動オフィスというのを始めました。移動オフィスの日は会社には出勤せず、都内某所に集まって朝から晩まで仕事をする、というものです。

これまで3回ほど試してきましたが、まずまずの成果が出てきているので今後も続けていきたいと考えています。

移動オフィスの何が良いかというと、仕事中に割り込みが入らないことです。例えば朝の10時から夜の7時まで仕事をするとして、その間に電話がかかってきたり、打ち合わせが入ったりすることが一切ありません。

日頃の業務でも、それに近い日はありそうなものですが、いざ場所を変えて仕事をしてみるとその違い、つまり日頃いかに色々な割り込みの中で仕事をしているかを思い知らされます。

よくよく考えれば、誰からも干渉されずに黙々と1日作業を続ける、という経験はあまりできるものではありません。例えば学校に通っていた時でも、授業は1時間から1時間半くらいの単位に細切れになっていて、それ以外は友達としゃべったり移動をしたりして過ごす訳ですし、放課後になるとクラブ活動などをしていました。

受験や試験前の時に休日に図書館に行くとこれに近い状態が作れたわけですが、それ以外にはほとんど経験していない気がします。

1日中集中力を保つためには、かなりの体力が必要です。あまり慣れていないと、昼過ぎくらいには頭がボーっとしてきてだんだん作業が進まなくなります。これにはトレーニングが必要で、何度も続けているとだんだん集中力の持続時間が長くなってきて、夜まで作業をイーブンペースで続けられるようになってきます。

それに加え、僕自身は集中力がきちんと続くように、毎日運動をして体を鍛えています。それと、こういうときは昼に1回昼寝を入れるようにしています。こうしてこつこつとトレーニングしつつ取り組んでいくと、10時から19時までの9時間をフルに活用して最大の生産性を発揮できるようになってきます。

ある意味、「1日の仕事の生産性を最大化する」のはスポーツに近いものだと思っているのですが、そういうとらえ方で仕事の効率を上げる方法を説いた書籍を見ることはあまり無い気がするのが不思議です。

さて、移動オフィスの日にあったはずの他者とのコミュニケーションはどこへ行ってしまったのでしょうか。

これは少し考えれば分かることなのですが、「うしろにずれた」んです。仕事上の打ち合わせなどは、だいたいメールか電話でアポイントメントの約束をして、約束の時間に会うことになります。「7月13日は移動オフィス」という予定表をカレンダーに入れておくと、打ち合わせの予定を入れる際にはその日をはずして他の日に予定を入れていきます。

ということはつまり、打ち合わせ可能な日が少なくなっているせいで、その分予定が後ろに回っている、ということです。

そういうことかと思って社内のカレンダーを見てみると、確かに以前に比べて2週間先、3週間先まで予定が随分埋まっている気がします。たまたま最近はてなの人気がインフレを起こしているだけかもしれませんが、それにしても以前は3週間後の予定なんて空っぽでした。このまま予定が埋まり続けていくとどうなるのかが少し怖いです。