子どもが見えない

昨日から2夜連続で、NHKスペシャル「子どもが見えない」が放映されています。
http://www.nhk.or.jp/kodomo/
今年に入って、小学生の同級生殺害事件などの出来事があり、今子どもたちの中で何が起こっているのか、といった論旨の内容です。実は僕自身、今年になって「殺害事件はインターネット上のいざこざが原因とされていますが、どうお考えですか?」という意見を求められたことがあり、突然の質問にうまく答えられませんでした。そういう経緯もあり、今回の番組を興味深く見ています。
正直なところ、その時は「水遊びをしていた子どもが窒息死する事件がありましたが、水道工事を計画する市役所として(あるいは工事施工業者として)どうお考えですか?」といった質問をされているような気持ちがしました。「我々が携わる水道というシステムが原因となり、貴重な命が失われたことは大変遺憾である」といった事以上に何が言えたのかが、それから気になっています。
出演している金森先生、義家先生はこれまでにその教育現場のドキュメンタリー番組をそれぞれ見たことがあり、「世の中にはこんな素晴らしい先生がいるものか」と感動したことがあります。だからそういう人たちの「大人たちは何をやっているんだ」という意見には説得力があります。大人が十分な時間をかけて、子どもと対話することができれば多くの問題は解消されるというのは、多分子どもにとって理想なんだろうと思います。
しかし現実には、大人もまた自分のために人生を過ごし、両親が忙しく子どもと過ごす時間が取れないだとか、学校の先生が子どもたちのことを十分に気にすることができないといった問題があって、それは物理的な(地理的・時間的な)制約によるところも多く、それを別のコミュニケーション手段(例えばインターネット)で解決する方法もあるかも知れないと思います。
番組を見ていて分かるのは、今の子どもたちにとってインターネットが「唯一本音を話せる場所」であったり「最後の逃げ場所」である場合があるということです。
ただ、子どものときから接するにはインターネットはあまりに世界が広すぎるような気がします(小さな世界で夢を育む期間が無ければ、諦めや妥協ばかりが先行してしまいそうな気がします)。また、そもそも本音で話せる人がいつも居る人なんてこの世の中にいるんだろうか?という疑問もあります。
あと、仕事柄サーバールームに入ってサーバーやネットワークを触ったりすることが多いわけですが、暗くて寒くて無機質で見ている限り何の面白みも無い真っ黒なサーバーマシンの中身が、最後の逃げ場所だなんて何かが間違っているという気がしなくもありません。
やっぱりまだ何も意見がまとまらないまま、今日の放送を見ようと思います。